
いきなりですが、図の名称には間違いがあります。
頬骨弓というのは存在しませんで、正しくは「肋骨弓」です。
この2つの肋骨弓のなす角度を胸骨下角といいます。
今日は、コアの活性度の左右差の指標としての肋骨弓の角度についてです。
先日、「右の腰痛」「カラダが左右ぎくしゃくしていてぎっくりになりそうで怖い」とおっしゃる女性を拝見しました。
その方の肋骨弓の角度を左右とも写真でお示しします。☟


腰痛がある右側のほうが、肋骨弓が広がっております。
安静時背臥位において、特に特別な意識をしない状態では、胸骨角が小さいほうがコアの働きが良好にセットされていると思われますが、この方は右側でコアのセットが不十分なようです。
スポーツ医学では「コアはエンジン」「コアは発電所」などといわれることがあります。まさにコアが身体運動のエンジンや発電所となって先行的に活動することで身体運動を支えております。網様体脊髄路によって動かされる意識外の活動が主となります。
この方は、右側のコアの活性が不十分で腰部の動的安定が低下して腰痛になりやすく、右側のコアが特異的に不活性だったことで「左右がギクシャク」した感覚を受けておられたようです。
問診や理学所見から、「右足関節捻挫による足関節不安定性」という感覚が右のコア不活性を引き起こしていた可能性が高いと判断しまして、右足部および下腿のアライメント調整をおこない、かつ前庭刺激を用いて足関節の剛性を高めました。
その直後の右肋骨弓の角度が下の写真です。☟

左の角度にかなり近づいていると思います。介入前の評価時も介入後の評価時も、クライアントは特になんの意識もしておりません。
並進バランステストが困難な場合などはとくに、このような評価もコアの活性の評価(腹内側系の評価)に用いることもできそうだと思った方でした。
この方は、2週間ほど調子が良かったのですが、まただんだん復元してきてしまったので、右足関節の剛性を維持しつづけるためにNWPL社製オーソティックス(Superglass®)を処方することになりました。
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