講師の植竹です。
ご質問ありがとうございます!
その場で回ると強い眼振、めまい、テレビを見ていて下の字幕が二重に見える
左上下肢企図振戦、協調性わずかに低下
パシュート・前庭動眼反射ともに追従拙劣
というところが気になる所ですね。
視覚情報と頸部の動き、前庭と小脳との連携に問題が起こっていると思われます。
評価として、
①引く評価を用いた視覚、固有感覚、迷路のどこの感覚を多く使用しているのかをあぶりだす必要があるかと思います。(STEP8で行った内容)
②頸部の屈曲や伸展、側屈や回旋など頸部の角度を変化させた状態での眼球の動きを確認する。
視覚情報と迷路との整合性が取れていない場合、頸椎の角度によって眼球の動きが制限される可能性が有るためです。
特にテレビの下がダブルのであれば可能性はあるかと思います。
また、立位や座位など姿勢の違いによっても眼球の動きや眼振が起こるのであれば頭頸部以外の問題も存在しているかもしれません。
上記の評価を踏まえて
①その上で視覚情報が多く取り入れられている方であるならば、外眼筋や眼窩の脂肪体・視神経上膜などの結合組織への介入を行います。
安静時の眼振がないのであれば、回転時の眼振は少し収まることが多いかと思います。
上記のことを行いあまり変化がない場合、頸椎の介入を行います。その際、めまいや吐き気の程度に気を配りながら、眼球を用いて介入をしてください。また、頸部がどの位置にあっても眼球の運動に制限がないように丁寧に介入をしてあげるとよいかと思います。
②体性感覚に問題がありそうならば、特に下肢の関節の硬度の高さを評価して介入してください。
③前庭器に問題があればSTEP8のアルゴリズムに準じて介入をしていただければと思います。
④①~③が整った状態でオシレーションを積極的に取り入れてください。オシレーションは閉眼と開眼、頸部の位置を変化させながら行うと3つの感覚の統合がとりやすいと思います。
小脳の失調に関しては上記のとこが改善されてくれば自ずと改善してくる場合が多いと思います。
また、介入した後に変化などを教えてもらえればと思います。